全国でも珍しい“もろこし粉”使用——豊橋発祥と伝わる柏餅、老舗が三河郷土含む5種を端午の節句に展開

柏餅に込められた家族の願い

柏の葉は、新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「子孫繁栄」の象徴。

そのため柏餅は、端午の節句に食べる祝い菓子として全国に広まりました。

同店では、初夏の香りをまとった柏葉を毎朝一枚一枚手巻きし、出来立てを提供。
行事菓子本来の姿を大切にしています。

■ 全国でも珍しい「もろこし柏餅」

今回の特徴は、三河地方の郷土仕様である「もろこし柏餅」。

この柏餅に使用する「もろこし粉」は、
雑穀「たかきび」を粉状にしたものです。

かつて米が貴重だった時代、代用穀物として工夫から生まれたとも言われています。
もろこし(たかきび)は、
・ビタミン
・ミネラル
・食物繊維
を豊富に含む栄養価の高い穀物。
近年では“スーパーフード”としても注目されています。

ほんのりとした穀物の香ばしさと、素朴な甘みが特徴。
もち米の柏餅とは異なる、三河ならではの味わいです。

そのほかの4種

お亀堂の柏餅は全5種類。
① こし餡(280円)
② つぶ餡(280円)
③ よもぎ餅(280円)
④ もろこし(320円)※三河郷土・たかきび使用
⑤ 白みそ餡(320円)※西京味噌使用
・北海道十勝産小豆の自家製餡
・香り高いよもぎ
・中部では比較的珍しい白みそ餡

地域性と王道の味を同時に楽しめる構成です。

■豊橋が発祥とされる柏餅(諸説あり)

三河・二川と遠州・白須賀の国境あたり、「猿ヶ番場」と呼ばれる地で、だんごに餡を入れた餅を柏の葉に包んで名物としている茶屋がありました。この餅を主人の老夫婦から「かしわもちです」と振る舞われたのが小田原征伐に向かう途中の豊臣秀吉。

「戦の前に‘勝ちわ餅‘とは縁起が良い」と聞き間違えた名に気を良くし志気を挙げて戦に向かったところ見事大勝利。帰国の折再びこの茶屋を訪れ、自分もその風貌からかつて「猿」と呼ばれていた秀吉は、茶屋のお婆さんがあまりに皺だらけだったのを面白がり「今後、この餅を猿ケ婆(さるがばば)の勝和餅と申せ」と言って褒美を取らせたという逸話が残されています。

この「猿ケ婆(さるがばば)」の呼び方が、いつしか土地の名前「猿ヶ番場(さるがばんば)」と重なって、「さるがばんばの勝和餅」と呼ばれるようになったと言われています。
その後、江戸では武家や庶民の間で端午の節句を祝う柏餅として広まっていきました。

北斎や広重の浮世絵に、柏餅がこの地域の名物として東海道を往来する人々に楽しまれている様子が描かれています。
(引用文献:http://www.yagumo.co.jp/i/pdf/kachiwa.pdf
https://www.futagawa-komaya.com